長命茂宏税理士事務所
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2020/1/31

税法特有の表現、「事業」と「業務」という、似て非なる両者の文言

  「事業」と「業務」という単語。
日常生活では、特に意識することなく使い分けていると思いますが、税法、特に所得税法では、明確に意味が異なり、きちんと理解していないと条文の解釈を誤ることになります。
 
  「業務」とは、反復継続的な営利活動全般を意味します。一方、「事業」とは、大規模でやっている業務を意味します。裏読みすると、小規模の業務は「事業以外のもの」とも言えます。
 
 ですので、業務=事業+事業以外のもの、ということになります。
 
 では、何をもって、規模の大小を区別するのか、つまり、どうやって、事業とそれ以外を区別するのかという話ですが、事業所得は、問答無用で事業に該当します。問題となるのは、不動産所得です。不動産所得には、5棟10室という形式基準があり、これを満たせば事業的規模に該当し、満たさなければ、事業的規模にあらず、事業の定義からもれることになります。
 
  つまり、アパート2部屋しか所有していないオーナーがそれを賃貸している場合、税務上業務を行っているとは言えても、事業を行っているとまでは解釈されないのです。(形式基準をクリアしてなくても、賃貸収入額が非常に大きい場合等、実態や社会通念に照らして、事業的規模に該当すると判断されるケースもあるようですが、ここでは割愛します。)
 
  所得税法57条1項に、青色事業専従者給与の規定があります。そこでは青色事業専従者のことを、「青色申告者の生計一親族(15歳未満除く)で、専ら当該申告者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業に従事するもの云々」と規定しています。
  太字のところ、業務と言わずに事業と言っています。
 
  つまり、事業的規模を満たさない不動産所得のみの方については、たとえ届出・記帳などをきちんとしてても、青色特別控除はできても、青色事業専従者給与まで経費算入することは難しいことを意味します。
 
  業務と書いてあったり、事業と書いてある条文は他にも多々あります。
 
  言葉って難しいなと思います。確定申告時期なので、それにまつわる内容をつぶやいた次第です。
 
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