2020/7/13
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家賃支援給付金の計算方法と私見 |
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2020年7月14日から申請開始の家賃支援給付金について、①趣旨、②対象者、③適用要件、④計算方法、⑤必要書類、⑥私見の順で言及します。 ①趣旨 5月の緊急事態宣言の延長等により、売上の減少に直面する事業者の事業継続を下支えするため、地代・家賃(賃料)の負担を軽減するための給付金 ※太字の箇所について、⑥私見にて言及するので、あえて太字にしました。 ②対象者 資本金10億円未満の中堅企業、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者 (医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人など、会社以外の法人も幅広く対象。) ③適用要件 5月~12月の売上高について、 (イ)1か月で前年同月比で50%以上減少していること あるいは、 (ロ)連続する3か月の合計で前年同期比で30%以上減少していること のどちらか満たし、かつ、自らの事業のために占有する土地・建物の賃料を支払っていること ④計算方法 給付額について、法人に最大600万円(=月100万円×6か月分)、個人事業者に最大300万円(=月50万円×6か月分)を一括支給。計算方法は以下のとおりです。
※支払賃料(月額)は、原則として、申請時の直近1か月における支払賃料(月額)に基きます。 (ただし、例えば、2020年4月1日以降に賃料の変更があった場合、2020年3月31日時点で有効な賃貸借契約書に記載されている1か月分の支払賃料と比較して低いほうの金額に基くなど、申請時の直近1か月における支払賃料で計算するとは限らない例外のケースがいくつかあり、経産省のホームページに列挙されています。私の文章中の④計算方法では、原則のケースだけを前提に計算例を記載いたしました。) 上記の格子の表でわかりづらい場合は、下記一次関数に、支払賃料(月額)を代入してあげれば、給付額が即算定されます。 例えば、法人で、適用要件を満たし、申請時の直近1か月の支払賃料(月額)が180万円の場合、支払賃料(月額)が75万円~225万円の間に位置するので、Y=1/3X + 25万円となります。よって、1/3×180万円+25万円=85万円が、給付額(月額)となり、6倍しますので、510万円ということになります。 ちなみに、一次関数ではなく、わかりづらい格子の表のⒶⒷのほうで検算してみると、 Ⓐ=75万円×2/3=50万円、Ⓑ=(180万円-75万円)×1/3=35万円、Ⓐ+Ⓑ=85万円が給付額(月額)となるので、上記一次関数と一致します。なお、法人の支払賃料(月額)が75万円を下回るのなら、Y=2/3Xで計算すればよいことは上記表のとおりです。(ところで、話変わりますが、個人事業主の一次関数の黄色い吹き出しの数字は、Y=1/3X+12.5万円です。125ではないです。字が小さくて見づらく恐縮です。) ⑤必要書類 法人の場合、確定申告書別表一(個人の場合、第一表) 電子申告している場合は、受信通知 法人の場合、事業概況書(個人の場合、青色決算書) 申請に用いる売上が減った月・期間の売上台帳 賃貸借契約書 申請直近3か月の賃料支払資料(通帳写し、領収書など) 本人確認書類 その他 持続化給付金の必要書類と重なる点があるので分かりやすい印象です。なお、一般的なものを列挙しましたので、ケースによっては100%一致するとは限らないのでその点ご容赦ください。 ⑥私見 申請書類等について持続化給付金と似ている点が多く、わかりやすいなという印象の一方で、一点この家賃支援給付金で特徴的なのは、借主が給付金の支給を受けることになった場合、大家さん又は管理業者(以下「オーナー等」という)に対しても、借主さん給付受けますよという通知が国から行くという点です。オーナー等からしてみれば、この給付金で払ってもらえるんだと期待します。そもそも、地代・家賃(賃料)負担の軽減を目的として支給されるものなので、賃料の支払いに充当していただくことが本来の趣旨であり、オーナー等に通知が行くのは当然だと思いますが、例えば、大変さのあまり、家賃支払いの前に運転資金に充ててしまい、そのまま家賃が払えなくなるケースがでてくるのではないかという懸念もあるのかなと感じます。もっとも、そうならないよう、抑止力のために、オーナー等に通知が行くのかもしれませんが。
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